RADIOCHANGO.JP [日本語]
ホーム > Artists > CHE★SUDAKA [チェ★スダカ]

CHE★SUDAKA [チェ★スダカ]

火曜日 2007年11月6日, によって nahoko

DOSSIER November 2002

original > fr en sp

ストリートたちのスクールじゃ教師は生徒と一緒に楽しむ、一番熱心に通ってくるやつこそが一番飛び出すヤツなのだ。


 チェスダカのファーストアルバムはストリートという学校から生まれ出た。バルセロナはゴシック地区の出身バンド、もしあなたがこのカタルーニャの首都を通りかかるなら、肩にギターを担ぎ手にパーカッションを持つ彼らとそこですれ違っていることだろう。

 そのアルバムは「トリッピー・タウン」、このタイトルは、ゴシック地区(barrio gotico)にある有名なジョージ・オーウェル広場からくる。この広場の名称は予言的フィクション「1984年」の作者へ、その没後に市から献上された。このディスクは9曲からなるのだが、気付いて欲しい、ディスクの終わりに近づくのはあたかも、街の通りの向こう端に近づくかのようだ、いつだって、何かサプライズが突然やってきそうにして!

 この広場は非公式にはトリッピーとも呼ばれ、フェニキアの時代から界隈ではもっとも活発で、ミュージシャンたちや人々が出会うような場所だ。そしてまたこの同じ場所、混じり合うのに最適なここで、この前途有望なグループは生まれたのだった。 [1]

 ゴシック地区の真ん中にあり、ジョージオーウェル広場は市庁によってビデオ実験のモルモットに選ばれた。市は2年ほど前に、通りのあらゆる角度からビデオカメラを取り付けたのだ。バルセロナ外の人々に、この街に住む人々やどんな風に暮らしているかというショウを見せるというため ではなくて、組織的ギャング…というか毎日何時でもそこでコンニチワなんて挨拶を交わしているストリート・ミュージシャンやその他、その類に対しての抑止目的。そんな積極的意味を持ったビデオ政策なのだ。
 このような危機に立ち向かわんとしてポリスたちは日がな一日、どのバルのボトル1本までも許可なく持ち出されたりしないように、或いはボトルがテーブルにちゃんと置いてあるように、とかなんかを警戒しているわけである。このポリスの錯乱じみた熱意と街の通りの熱狂のあいだ、音楽的才能に溢れたアンダーグラウンドが展開される。灰色の街に活気をもたらそうとする傷ついたストリート・ミュージシャンの魔法の杖をかざし、そうすることで彼らの心に感動を与えられますように、そう望みながら。

Che Sudaka en el Trippe..


 マル・デル・プラタ  [2]で最初のバンド・コレカミノスCorrecaminosで8年にわたり七転八倒した末に、大洋を渡りなお残っていたアルゼンチン・バンドのメンバーであるレオとエルナンが、2002年の冒頭からチェ・スダカを名乗るバンドを結成した。

 マル・デル・プラタ出身であったが故に、アルゼンチンの音楽プロダクションの発祥の地といえるブエノス・アイレスではレコーディングするチャンスがなかなか無かった。彼らはアルゼンチンの首都ではなく中央部の出身。ロドリゴだけは首都出身だがフレンチ・ハーフで何年かをセネガルで暮らしていたことがある。そんなこんなで売り出すためのレッテル付けが面倒くさいバンド、その典型になっていたためだ。

 バルセロナに着きコレカミノスの4人は、音楽で生計を立てファーストアルバムを録音する夢をみていた。けれども着陸は難しかった。ロドリゴの言葉を借りれば「数週間ののちに仮面が剥がれ落ちだし」た。そしてグループは荒れた状態でバラバラになってしまった。そこうしながらバルセロナで、通りで演奏するミュージシャン達と新しいバンドを結成する方途を探ったのである。
 1998年からバルセロナに住むテクラTecla が最初のメンバーとなり、そこからチェ・スダカ・プロジェクトが形をなしてきた。ギターには投獄を音楽家には手錠を、という市政方針にも拘わらず、レオとその仲間たちは通りすがりの人々に幸福をもたらしながら、通りを闊歩していたのだった。皆さんのうちでもおそらくは既に、バルセロナに滞在中に、彼らの演奏をお金も払わず聴いたことがある人がいるのでは?そして、コンサートに行くのにお金を払うだなんてと驚くようになられたのではなかろうか?

 ストリート・ミュージックは恵まれない時期の一時的な活動だとか、無欲な学生の暇つぶしに受け取られがちだ。だが、この類の多くのミュージシャンが、堂々とこの生活を可能にし夢を叶えている。ストリートはまた、即興の素晴らしいスタジオでもあるのだ。

レオによると、人はしばしば彼に尋ねてくるそうだ:
「仕事は何をしているの?」
「俺はミュージシャン。」彼は答える。
「ええ、でもどうやってお金を稼ぐの?」
ストリート演奏家というのを、職業選択肢のひとつだと説明するのは困難がつきまとうようだ…。

「俺らのもっと大きな夢は、毎日演奏するってことだ。他の事なんて心配しない。今はそれに絡むものは大いに歓迎さ。今の俺たちは忍耐強いぜ、なんたってもう相当成功してきてるんだからな。」

 彼らがバルセロナに到着してからというもの、幸運の女神がいつも微笑む。マノネグラの元ボーカルとの出会いは、魔法的で神がもたらしたようなそれのひとつと言える。それが彼らをして前進せしめたのだ。マヌはバルセロナのストリートミュージシャンたちによるレコーディングの推進者のうちの一人であった、ラ・コリファタというアルバムを通りで売ることで、彼らがストリートで生きることを可能にしたのである。

 「ラ・コリファタは、レコードのリリースの仕方の素晴らしいレッスンだったんだ。すげえ簡単なんだ。それってある日誰かがアイデア思いついてそれを全部オーガナイズするんだ、自分たちがやってきたこと全部カクテル・シェイカーにぶち込んでコンピレーションが一枚できあがるってわけ。これ以降、必要なのは売るだけってなるんだ。俺らは毎日通りで演奏してるけど、おまけにディスクもあるってことはもう一つ収入源があるってことじゃないか。これは俺らにはとても大事なことだ。独立したアルバムがあればもっと楽に生きられる。俺は学んだのさ、レコードを売るにはラジオとか大企業のサポートなんて必要ないってね。」そうレオは言う。

 ラ・コリファタ―というタイトルのコンピレーション―はブエノスアイレスにあるラ・ボルダ精神病院の患者によるスピーチを織り交ぜてあるもので、この精神的疾患が自由闊達に演説を行う並はずれた放送へのトリビュートでもある。ラジオLT22は毎週土曜午後、国全体に向けてFM放送番組を流す。ラ・コリファタの「マッド・ピープル」に参入したことについて語りながら、レオは言う「『普通』を定義しようとするとこんがらがってくるんだ。」実のところチェ・スダカは普通で今風なバンドではない。電車で、バルで、ステージであろうがバルコニーに無かってだろうが彼らは楽しそうに、また自分の力で生をつかみ取ろうとする、そのエネルギーをもって演奏するのだ。

 バンド名―チェ・スダカ―はもとはレオの最初のバンドコレカミノスの歌に由来する。 「新たな変化、新たなドア
そしてこの地球上に現れてくる、色んな存在。
君は内側から変わりたい、君は精神を変えたいんだ。
変化とはは辛いもの、結果はさらに厳しくすらある
あらゆるものはこの瞬間に、もっと良くなろうとして変化する、チェ・スダカ。」

 レオが言うには、我々は過去に何か答えを見つけたりするのだそうだ。 「アルゼンチンで、俺らはアルゼンチン人であることを誇りに思っていたんだ。けどここに辿り着いたとき、自分たちをスダカだって思ったんだ。アルゼンチン人、チリ人、エクアドル人、ペルー人、俺らはみんな同じ世界から来てるんだ。それに「チェ」ってのはアルゼンチンの言い方で、誰かエネルギーイッパイのヤツのことでもあるのさ。マプーチェ族の言葉でもあって、アルゼンチンとチリで先住民インディアンたちの「友達」って意味さ。

 バンドにとって最高の瞬間だったステージは、スペインはガリシアでのフォリアダ202というフェスティバルでだった。2002年初頭バンド結成からは25ほどのコンサートを行った程度だったが、以前のバンドから数えると300を数えた。ストリートで演奏し、それが彼らのメインステージかつリハーサルでありつづけた。レオはバルセロナの1年間でアルゼンチンでの8年間より多く演奏を行った。アルゼンチンでは生きるために、建築労働者やパンやなどミュージシャン以外のあらゆる仕事をやっていかねばならなかったのに。

 作詞はレオがやる。いくつかは彼の以前のグループのものだが、ほとんどはストリートで、そしてヨーロッパでの最初の苦難の一ヶ月から出来ている。 どの歌にも背景があり、どの曲にも音楽的創造性がある。影響は色々受けており、ロス・ファビュロソス・カアディリャクスLos Fabulosos Cadillacs、トドス・トゥス・ムエルトスTodos Tus Muertos、マノネグラMano Negra、ルベン・ブラデスRuben Blades、ボブ・マーレイBob Marley、ピーター・トシュPeter Tosh、スモSumo(アルゼンチンの伝説的バンド)、カフェタ・クバCafeta Cuba、…彼らのテイストは多岐にわたり経験はそれぞれ異なる。ギターのマヌエルはジャズとタンゴ出身。キーボードのテクラはボサノバとアルゼンチン伝統フォークロアから、そしてグループのサウンドをより豊かにする共通点もある。「マヌ・チャオは俺ら世代のミュージシャン全員に影響を与えたんだよ。マカコもオホス・デ・ブルホも、デュスミンゲトも、彼らはその時代の仲間さ。」

 ペロ・デ・ラ・カジェPerro de la Calle(通りの犬)は、アルバム「トリッピー・タウン」収録曲であり、彼らのストリート体験から育った曲だ。彼らは8ヶ月の間、1時間のあいだに12回、1日のうち1時間はこの曲を演奏している。歌詞とリズムは1音1音がストリートで発展していったのだ。アルバムのうちもっとも興味を引く歌は、ラ・カセロラLa Cacerola(鍋)、2001年後半にアルゼンチンで起こった出来事を、当時バルセロナで立ち往生していたレオの見方から語っている。この歌を聴いたアルゼンチン人の多くは、そこに居なかったという彼がどうやってここまで正確に、この出来事を描き切れたのかと理解に苦しむ。シン・パペレスSin Papeles (不法滞在者)、このバンドのモットーとなる歌だ。ストリート演奏で人が「『キチンとして』いないなら基本的人権のヨーロッパでオマエは何者でもない」と歌う時には安心感を覚えるのだ。注意を引きたいのはまたとてもアップビートでリスナーを惹きつける、コスモポリタン・タウンCosmopolitan Town。バルセロナでは人々が起こり来るトラブルを楽しみに変えて、またそれがどんなにバビロン風なのかを展開してくれるのだから。

 この新しいアルバムにはどんな修飾語をつける?
- クンビアから、サルサ、レゲエから電子音楽、コルドバ(スカ・メレンゲ)の典型的カルテットからラガに、そんな音楽的影響があるんだよ。 そうレオとエルナンは我々に語る。

 チェスダカは現代バビロンのジャングルにあって都会的詩心の1かけらであり、個人主義の大洋における希望のしずくだ。我々の日々を楽しくにしてくれるレコード。ダンスが禁止で発声は沈められギターとドラムが監獄行きなんてことになろうものなら、このアルバムは我々に、音楽は癒しでありミュージシャンは魂の医者なのだと思い出させてくれるだろう。彼らと夢を見シャウトを上げるというのは、随分と価値あることなのだ。

アリーバ・ラ・バイナArriba La Vaina!(楽しもうぜ!Let the good times roll )

- 写真は全て http://www.fotolog.com/che_sudakaより無断転載!

Che Sudaka メンバー:

レオ Leo: ボーカル、ギター
コルドバ Cordoba: ベース、パーカッション、ボーカル
セルジオ Sergio: キーボード
ホタ Jota: ギター
マルセロ Marcelo: ドラム
カチャファス Kachafaz: ボーカル、パーカッション

ウェブサイト

http://www.chesudaka.com
http://www.fotolog.com/che_sudaka
http://www.myspace.com/chesudakastyle
http://www.onvibes.com/chesudaka
http://www.audiokat.com/artistas/ch...

ディスコグラフィー


Trippie Town (2003 - Album)
Trippie Town (2005 K Industria - Re-edition)
Alerta Bihotza (2005 K Industria - Album)
Mirando el Mundo al Revés (2007 K Industria - DVD + CD)

主なコラボレーション

La Colifata (2002 - Compilation)
Músiques urbanes + A prop 04 (2004 - Compilation)
Mundo Mestizo (2004 - Compilation)大洋レコードで買う
Barcelona Raval Sessions 2 (2005 K Industria - Double Compilation)
RadioChango Añejo Reserva vol.I (2005 RadioChango - Compilation)
A Per Loca (2006 - Compilation)
Mariatchi Boogie (2006 - Compilation)
Tribus Urbanas (2006 - Compilation)
EsperanSaharaui (2007 - Compilation) - 大洋レコードで買う
Ayvala: La Rue Vacilon (2007 - Album)
Muévete Bien - Sabor Mestizo (2007 Sabor Discos - Compilation)
La Pegatina: Al Carrer! (2007 - Album)
Dédé Traké: Kanabistro Barcelona (2007 - Album)

補足

[1] CHE SUDAKAの新作DVDでレオがずっとインタビューに答えているのは、このトリッピー・タウンかと思います。

[2] ブエノス・アイレス州にある、大西洋沿いの市 Wiki